オススメのサチュレーションプラグイン(Saturation)

サチュレーションは、アナログ機器特有のキャラクターや暖かみを与えてくれる歪み系のエフェクトです。トラックに存在感やパンチを追加することができます。今回はそんなサチュレーションのオススメのVSTプラグインを紹介します。

サチュレーションとは

サチュレーションとは、テープや真空管などのレベルオーバーによる飽和の事を指し、一種の歪みです。オーバードライブやディストーションのような強い歪みではなく、キャラクターや暖かみを加える程度のソフトなものです。

デジタル録音でレベルオーバーした場合、クリッピングが発生して使えない音になりますが、アナログ録音の場合はレベルオーバーによる歪みが音楽的に良い音として好んで使われています。

オススメのサチュレーションプラグイン

Soundtoys - Decapitator

Decapitator は、アナログハードウェアのサチュレーションをエミュレートしたプラグインです。5つの異なるアナログサチュレーションモデルから選択でき、トーン・コントロールとDry/Wetコントロールを備えた非常に使いやすいプラグインです。Ampex、EMI、Neve、Culture Vultureのtriodeとpentodeをモデリングしています。

• 5つのアナログサチュレーションモデリング
• PUNISHボタンで更に歪みを追加
• Low Cut、High Cutフィルター
• TONEで Tilt EQのようなEQコントロール

FabFilter - Saturn 2

Saturn 2 は、チューブ、テープ、トランス、ギターアンプなどの様々なスタイルを選択でき、サチュレーションからディストーションまで幅広く使用できます。さらに5つのクリエイティブなFXディストーションスタイルも備えています。帯域を分けてバンドごとに処理することができ、モジュレーションでパラメーターを動かせます。

• チューブサチュレーションからギターアンプ、ビットクラッシングまで28種類のスタイル
• 最大6バンドのマルチバンド処理
• バンドごとのドライブ、ミックス、フィードバック、ダイナミクス、トーンコントロール
• モジュレーションオプション

Sonnox - Oxford Inflator

Sonnox Oxford Inflator は、ダイナミックレンジを犠牲にすることなくラウドネスを上げる、ユニークでパワフルなツールです。リミッターやマキシマイザーのような使い方ができますが、トラックに音の迫力やアナログ機器の暖かみを与えることができ、サチュレーションとしても機能する独特なプラグインです。

• あらゆる素材で、聴感上の音量を上げる
• デジタル上で限界と思われていたレベルを超えた仮想ヘッドルームを生み出し、突発的なピークでのデジタルクリップを回避
• コンプレッサー/リミッター特有のポンプ感とは無縁の、独自のアルゴリズム
• 真空管機器のような暖かいサウンドから、アナログ機器のサチュレーション歪みまで、音楽的なサウンド

Black Box Analog Design - HG-2

Black Box Analog Design HG-2 は、ハードウェアのBlackBox Analog Design HG-2チューブプロセッサの忠実なエミュレーションプラグインです。直列で繋がれた五極管と三極管によってカラーの異なるサチュレーションを追加します。またパラレル回路のサチュレーションのオン・オフを切換えられます。

• 直列のPENTODEとTRIODEで異なる倍音を追加・コントロール
• パラレル回路のSATIRATIONをオン・オフ
• パラレル回路に送る周波数帯域を選択可能
• AIRリフト機能で10kHz辺りのエアー感を追加

UAD - FATSO Jr. / Sr. Tape Sim. & Compressor

FATSO Jr. / Sr. Tape Sim. & Compressor は、ハードウェアのEmpirical Labs EL7 FATSO のエミュレーションプラグインです。FATSOはテープシミュレーションと4つのタイプのコンプレッサー機能を持っており、インプットノブとウォームス、トランニーでサチュレーションをコントロールできます。

• テープシミュレーション&コンプレッサー
• 4つのタイプのコンプレッサー機能
• ウォームスでアナログテープサチュレーションで起こる高周波の減衰をシミュレーション
• トランニーでアナログテープを特徴づける低周波のハーモニクスを追加

まとめ

デジタル環境で録音、ミックスされた音はクリーンですが、綺麗すぎると物足りなさを感じるかもしれません。今まで発売されたレコードにはアナログ機器が使われてきたので、ジャンルによっては敢えてサチュレーションで歪ませたり、汚してあげることも必要かと思います。