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SIR3は柔軟性の高い高品質なコンボリューションプラグインです。この記事では、SIR3の特徴や使い勝手について詳しく解説します。
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SIR3の概要
SIR3は、Pinguin Ingenieurbüroが制作した高精度なHDIRインパルス応答を搭載したリバーブプラグインです。リアルな音響空間を再現し、多様なリバーブデザインが可能です。オーディオプロフェッショナルにとって理想的なツールであり、柔軟な設定で没入感のある豊かでダイナミックな音響体験を提供します。
SIR3の特徴と機能
特徴
- HDIRインパルス応答:33種類の高精度なHDIR(High Definition Impulse Response)モデルを搭載し、リアルで忠実なリバーブ効果を提供します。
- リアルな音質:インパルス応答を使用して、非常にリアルで自然なリバーブ効果を提供します。物理的な空間やハードウェアリバーブを忠実に再現できるため、プロフェッショナルなクオリティの音響空間が得られます。
- 高い柔軟性:モジュレーション機能やダイナミックプロセッシング(ゲートリバーブやダッキング)により、リバーブサウンドを細かく調整でき、クリエイティブな音作りが可能です。
- 軽量設計:低いCPU消費とゼロレイテンシーにより、リアルタイム処理でもスムーズに動作し、大規模なプロジェクトでもストレスなく使用できます。
機能
- IRのインポート機能:ユーザーが自身のインパルス応答(IR)をインポートできるため、外部のIRデータを使用して、さらにカスタマイズされたリバーブ効果を得ることができます。(SIR3, SIR, WAV, AIF, FLAC, OGG)
- オートゲイン機能:異なるインパルス応答を選択する際に、毎回ウェットレベルを手動で調整する手間を省けます。
- モジュレーション機能:インパルス応答のヘッド、テール、または全体をモジュレーションすることができます。
- ダイナミクス機能:ゲートリバーブやダッキング機能により、リバーブのダイナミックな制御ができます。
- エンベロープ制御:ボリューム、ローパスフィルター、ハイパスフィルター、ステレオ幅、パンなどをエンベロープで操作し、リバーブの音質をリアルタイムで自在に変更可能です。
SIR3の使い方
SIR3の各モジュールは、折りたたみ表示および拡大表示が可能です。ファイルブラウザには、Factory ImpulsesとUser Impulsesがあり、設定から任意のフォルダを指定してUser Impulsesを表示できます。また、同じディレクトリ内にある同じ名前の画像ファイルを自動的に読み込み、表示する機能があります。
Decay TimeはdB/sで表示されますが、Waveform Viewを確認しながら調整することで、減衰時間を把握できます。
Pitchはインパルス応答のアップサンプリングやダウンサンプリングを調整する機能で、設定値を高くすると明るく短い部屋の響きになり、低くすると暗く長い部屋の響きになります。
ER Capはアーリーリフレクションをコントロールする機能です。Early Reflection Displayを確認しながら調整することで、より直感的に理解できます。ER Capを下げると、上方から反射音が徐々に無効化され、上げると下方から反射音が無効化されていきます。Early Reflection Displayには、アーリーリフレクションのゲインエンベロープ機能も搭載されています。
Modulationでは、インパルス応答のヘッド、テール、またはフルを選択でき、単純なアンプモジュレーションと、ランダムモジュレーションとディレイを組み合わせた複合モジュレーションの2種類があります。
Dynamicsは、リバーブにコンプレッサーやゲートリバーブを使用した処理、またはドライ信号が大きくなるとウェット信号が抑えられるダッキング効果を実現できます。ダッキング効果を適用する際は、コンプレッサーモードでサイドチェインをドライ信号に設定します。
SIR3では、インパルス応答の音量、フィルター、ステレオ幅、パンなどをエンベロープを使用して細かくコントロールできます。これにより幅広いサウンドデザインに対応しています
SIR3の使用感
シンプルなインターフェースにより、見た目が直感的で非常に使いやすいリバーブプラグインです。さらに、柔軟性も備えており、プロフェッショナルな用途にも対応できるバランスの良い設計となっています。ユーザーはインパルス応答(IR)フォルダを自由に指定でき、自分が用意したIRデータを素早くロードできます。また、エンベロープ機能は直線的な操作を中心に、左右クリックのみのシンプルな操作性で、扱いやすく素早く結果を得ることができます。
まとめ
SIR3は、高精度かつ柔軟性に優れたリバーブプラグインで、プロフェッショナルなオーディオ制作に最適です。33種類のHDIRモデル、モジュレーション機能、ダイナミックプロセッシング、エンベロープ機能をサポートしており、クリエイティブな音響デザインが容易に実現できます。さらに、低CPU負荷とゼロレイテンシー処理により、制作作業中にストレスを感じることなく、思い通りのサウンド空間を作り上げることが可能です。
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