smart:comp 2はプロファイルを選択し、トラックを分析させることによって自動でコンプレッションパラメーターを設定してくれるコンプレッサープラグインです。独自のスペクトラムコンプレッションやスペクトラムダッキング機能もあります。
smart:comp 2
smart:comp 2は非常に用途の広い頼りになるコンプレッサーです。シングルトラック、バス、ミックス全体のプロファイルとAIアルゴリズムで処理し、あらゆる入力信号のバランスの取れたダイナミクスを見つけます。
ユーザーインターフェースはシンプルで見やすく、使いやすいです。このリアルタイムに波形で効果を確認できるのはFabFilterのPro C2なんかもそうですが、分かりやすいですね。
smart:comp 2のメイン機能はやはり独自の学習機能です。オーディオ信号を分析し、バランスの取れた透明なコンプレッションを得るためにパラメーターを自動的に計算します。
ラーニング機能を使うにはまずプロファイルを選択します。楽器はドラム、ベース、ギター、シンセ、ボーカルと一通りあります。ミックスもカテゴリーごとに用意されています。プロファイルを選択したらトラックを再生し、左横の緑の丸いボタンを押してトラックを学習させます。トラックの比較的大きな部分から学習させることをおすすめしているようです。学習が完了すると自動的にコンプレッションパラメーターを設定します。
もちろん手動でコンプレッサーを設定することもできます。アタックとリリースはシェイパーで視覚的に調整できるようになっています。オートリースも備わっていて、ハードニー・ソフトニーの調節も可能です。
smart:comp 2の特徴はスペクトラムコンプレッションにあります。2000を超えるバンドに渡って入力信号を分析することにより、インテリジェントな超高解像度のマルチバンドコンプレッサーのように機能します。本当に必要な場所にのみコンプレッションを適用するため、常に一貫した音色とダイナミックなバランスが保証されます。スペクトラムコンプレッションは、トラックに可能な限りの明瞭さと最大の透明度を与えることを目的としています。Spectral Compの値を0にすると、通常のコンプレッサーとして機能します。Styleをdirty寄りにすれば暖かみのあるパンチの効いたサウンドにもできます。
もうひとつスペクトラムコンプレッションを使ったスペクトラムダッキングという機能が用意されています。外部サイドチェインを使ったいわゆるサイドチェインコンプですが、smart:comp 2のスペクトラムコンプレッションは、通常のダッキングアプローチをさらに一歩進めて、スペクトラムの衝突が発生するメイン信号にスペースを作ります。通常の広帯域ダッキングで発生する可能性のあるポンピングを回避することができます。
用意されているプロファイルが多いので、ほとんどのトラックに自動コンプレッションが使えます。コンプレッサーは奥が深いので、難しいと感じるユーザーやこだわりがないユーザーはsmart:comp 2に任せてしまってもいいかもしれません。クリーンなコンプなのでsmart:comp 2でダイナミクスを整えた後に色付け用のコンプを使えます。どのコンプを使うか迷いが出るときは時短にもなるので、設定も自動でやってくれるsmart:comp 2はオススメです。