コンプレッサーは、EQと並んでミックス・マスタリングに欠かせないエフェクトですが、いざプラグインを選ぼうとすると、 VCA・FET・オプト・Variable Muといった回路方式の違いに加えて、老舗ハードウェアメーカーのエミュレーションから 最新のデジタル設計まで選択肢が非常に多く、「結局どれを買えばいいのか分からない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、DTM初心者〜中級者の方に向けて、定番から個性派、無料で試せるものまで23製品のコンプレッサープラグインを、 回路方式(系統)別に整理して紹介します。それぞれの製品が「どんな音の変化を得意とするか」「どんな人に向いているか」を 中心に解説するので、自分の制作スタイルや予算に合った1本を見つける手がかりにしてください。
なお、コンプレッサーの基本的な仕組みやパラメータの意味(スレッショルド・レシオ・アタック・リリースなど)から 知りたい方は、先に「コンプレッサーの使い方を基礎から解説」を読んでおくと、この記事の 内容がより理解しやすくなります。
この記事でわかること
- コンプレッサーの6つの系統(回路方式)と、それぞれが得意な音の変化
- 系統別・定番から個性派、無料の選択肢まで23製品の特徴と「どんな人に向いているか」
- 価格帯の目安とよくある質問
コンプレッサーの6つの系統と選び方の目安
コンプレッサーは、内部でどのように音量を圧縮しているか(ゲインリダクション方式)によって、大きく6つの系統に 分けられます。まずはそれぞれの傾向をざっくり把握しておくと、製品を選ぶときの軸になります。
| 系統 | 音の傾向 | 向いている用途の例 |
|---|---|---|
| VCA | 反応が速く、音の変化が少なく素直にかかる | バスコンプ、ドラム、汎用的な音量コントロール |
| FET | 反応が非常に速く、パンチや存在感を加えやすい | ドラム、ロック系ボーカル、アグレッシブな質感づくり |
| オプト(光学式) | 反応がゆるやかで、なめらかにかかる | ボーカル、ベースなど自然な質感を保ちたいパート |
| Variable Mu/ダイオードブリッジ | ビンテージ管球機材特有の太さ・質感が出る | マスターバス、ミックスバスに温かみを加えたいとき |
| バスコンプ | ミックスバス・マスターバスをまとめる用途に特化 | 2ミックス全体の音圧感・一体感づくり |
| マルチバンド | 帯域ごとに圧縮の強さを分けて調整できる | 特定帯域だけ暴れる素材の補正、マスタリング |
それぞれの系統についてさらに詳しく知りたい方、あるいは最初から系統を絞って製品を比較したい方は、以下の系統別記事も あわせてご覧ください。
- VCAコンプレッサーのおすすめプラグイン
- FETコンプレッサーのおすすめプラグイン
- オプティカルコンプレッサーのおすすめプラグイン
- Variable Muコンプレッサーのおすすめプラグイン
- バスコンプレッサーのおすすめプラグイン
- マルチバンドコンプレッサーのおすすめプラグイン
おすすめコンプレッサープラグイン23選
ここからは、回路方式(系統)別に23製品を紹介します。
| 系統 | 製品名 | 参考価格 | 特におすすめな人 |
|---|---|---|---|
| VCA | UAD SSL 4000 G Bus Compressor | 99ドル | 最初のバスコンプを探している方 |
| VCA | Cytomic The Glue | 99ドル | 定番のVCAバスコンプを単体で試したい方 |
| VCA | UAD Precision Buss Compressor | 99ドル | 色付けを抑えて音圧感だけ足したい方 |
| VCA | UAD API 2500 Bus Compressor | 199ドル | 硬めでパンチのあるバス処理をしたい方 |
| VCA | UAD dbx 160 Compressor/Limiter | 99ドル | 価格を抑えてVCA系を試したい方 |
| VCA | Plugin Alliance elysia mpressor | 100ドル | パンチのあるドラムサウンドを作りたい方 |
| FET | UAD 1176 Classic Limiter Collection | 149ドル | まず1本、汎用的なFETコンプが欲しい方 |
| FET | UAD Empirical Labs EL8 Distressor | 199ドル | 歪みの質感を選んで幅広く使い回したい方 |
| FET | Waves CLA-76 | 定価299ドル(バンドル)/セール時90ドル程度 | 価格を抑えてFET系を試したい方 |
| オプト | UAD Teletronix LA-2A Classic Leveler | 149ドル | ボーカル・ベースになめらかにかけたい方 |
| オプト | Softube Tube-Tech CL 1B Mk II | 199ドル | ビンテージと現代的な質感を両方試したい方 |
| オプト | Softube Summit Audio TLA-100A | 159ドル | サチュレーションなど追加機能も欲しい方 |
| オプト | Waves CLA-2A/CLA-3A | 定価299ドル(バンドル)/セール時90ドル程度 | 価格を抑えてオプト系を試したい方 |
| Variable Mu | UAD Manley Variable Mu | 149ドル | マスターバスに太さ・まとまりを足したい方 |
| Variable Mu | UAD Fairchild Tube Limiter Collection | 149ドル | 伝説的な質感を手頃に体験したい方 |
| Variable Mu | UAD Neve Dynamics Collection | 199ドル | Neveらしい個性的な色付けが欲しい方 |
| Variable Mu | Klanghelm MJUC | 24ユーロ(無償版あり) | 無料でVariable Mu系を試してから検討したい方 |
| デジタル・万能型 | Sonnox Oxford Dynamics | 239.99ポンド | 複数のダイナミクス系を1台でまかないたい方 |
| デジタル・万能型 | FabFilter Pro-C 3 | 199ドル | 1本で幅広い質感を使い分けたい方 |
| デジタル・万能型 | Plugin Alliance elysia alpha compressor V2 | 150ドル | マスターバスで繊細な調整をしたい方 |
| デジタル・万能型 | Shadow Hills Mastering Compressor | 150ドル | 2段階圧縮で仕上げの質感を追い込みたい方 |
| デジタル・万能型 | TDR Kotelnikov | 無料 | まず無料で基準となる音を知りたい方 |
| 複数系統 | Arturia Comp Collection | 単体79ユーロ〜 | 複数系統を低価格でまとめて試したい方 |
VCA系|素直な反応でバスコンプ・汎用用途に強い
VCA方式は、音の変化が少なく素直にかかる傾向があり、特にミックスバスやマスターバスをまとめる「バスコンプ」用途で 広く使われています。バスコンプに絞って比較したい方はバスコンプレッサーのおすすめプラグインも参考にしてください。
UAD SSL 4000 G Bus Compressor(参考価格:99ドル)

SSL 4000 Gコンソールのバスコンプセクションをモデリングした、バスコンプの定番中の定番です。かけるだけで音がまとまる 「接着剤」的な効き方に定評があり、初めてバスコンプを試す方の最初の1本としても選ばれやすいモデルです。Native・ Apollo・UAD Spark Studioのいずれでも利用できます。
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Cytomic The Glue(参考価格:99ドル)

1980年代のイギリス製大型コンソールに搭載されていたバスコンプレッサーをモデリングした、VCA系バスコンプの定番 プラグインです。海外のミキシング解説では「最初のバスコンプの定番」としてしばしば名前が挙がるモデルで、軽い動作と 素直な効きが特徴です。買い切り1本で完結するシンプルさもあり、UAD SSL 4000 G Bus Compressorと並んで、最初の バスコンプ候補になります。
UAD Precision Buss Compressor(参考価格:99ドル)

Universal Audio自社設計の、透明感を重視したVCAバスコンプです。ビンテージ機材特有の色付けを抑え、素材の質感を なるべく変えずに音圧感だけを足したいマスタリング寄りの用途に向いています。公式ページ上ではApolloオーディオ インターフェースまたはUADアクセラレーターでの利用が前提として案内されており、他の多くのUAD製品のような UAD Spark対応の明記は確認できなかったため、購入前に対応環境を公式サイトで確認することをおすすめします。
UAD API 2500 Bus Compressor(参考価格:199ドル)

APIらしい音の太さ・パンチが特徴のステレオバスコンプです。圧縮の質感を変える「THRUST」機能を搭載しており、 硬めでエネルギッシュな質感を狙いたいロック・ポップス系のマスターバスに向いています。Native・UAD Spark Studioの 両方に対応しています。
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UAD dbx 160 Compressor/Limiter(参考価格:99ドル)

1970年代の名機dbx 160を再現したシンプルなVCAコンプレッサーです。パラメータが少なく操作がシンプルなため、 「まず1本、値段を抑えてVCA系を試してみたい」という方に向いています。Native・UAD Spark Studioに対応しています。
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Plugin Alliance elysia mpressor(参考価格:100ドル)

ドイツelysia社のハードウェアをモデリングした、モダンなVCAコンプレッサーです。通常より強く歪みなく圧縮できる 「ネガティブレシオ」など個性的な機能を持ち、パンチのあるドラムサウンドを作りたい方から特に支持されています。
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FET系|反応の速さでパンチと存在感を作る
FET方式は反応が非常に速く、音に勢いや存在感を加えやすい系統です。ドラムやロック系ボーカルとの相性が良く、 アグレッシブな質感を求める方に向いています。詳しくはFETコンプレッサーのおすすめプラグインもご覧ください。
UAD 1176 Classic Limiter Collection(参考価格:149ドル)

FET方式コンプレッサーの代名詞的存在である1176を、3つのリビジョン(回路設計の異なるバージョン)分まとめて 収録したコレクションです。全アタック・リリースを最速にして意図的に歪ませる「オールボタン・イン」など、 ハードウェア由来の遊び方までそのまま再現されています。ボーカル・ドラム・バスなど、まず1本持っておくと 汎用的に使える定番です。
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UAD Empirical Labs EL8 Distressor(参考価格:199ドル)

「現代の定番機材」とも呼ばれるDistressorのエミュレーションです。歪みの質感を選べる複数のディストーション モードを備えており、素直な圧縮からハードウェア的な色付けの強い圧縮まで、1台で幅広くカバーできるのが特徴です。 用途を1つに絞らず、いろいろなパートに使い回したい方に向いています。
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Waves CLA-76(参考価格:149ドル)

ミキシングエンジニアのクリス・ロード=アルジが監修した、1176をモデルにしたFETコンプレッサーです(Black・Blueの 2バージョンを収録)。Wavesは日本のDTM関連ショップでも特に知名度の高いブランドで、頻繁に大幅セールの対象になる ため、セール時であれば数千円台まで下がることもあります。価格を抑えてFET系の定番モデルを試したい方に向いています。
Waves →
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オプト(光学式)系|なめらかな質感でボーカル・ベースに
オプト方式は反応がゆるやかで、なめらかに圧縮がかかる傾向があります。音の変化を感じさせたくないボーカルや ベースなど、自然な質感を保ちたいパートに向いています。詳しくはオプティカルコンプレッサーのおすすめプラグインもご覧ください。
UAD Teletronix LA-2A Classic Leveler(参考価格:149ドル)

オプトコンプレッサーの元祖ともいえる名機で、真空管ならではの温かみのある質感が特徴です。パラメータは ピークリダクション(圧縮量)とゲイン(出力音量)のほぼ2つだけとシンプルで、操作に迷いにくいのも魅力です。 ボーカルやベースに自然な質感を足したい、という定番用途にまず選びたい1本です。なお、ソリッドステート (半導体)版の後継機「UAD Teletronix LA-3A」も同価格帯で用意されており、真空管特有の 色付けは控えめながら反応がやや速く、LA-2Aより少し輪郭を残しつつなめらかにかけたい場合の選択肢になります。
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Softube Tube-Tech CL 1B Mk II(参考価格:199ドル)

オリジナルのCL 1Bと、改良版のMk IIを1つのプラグインに統合したモデルです。切り替えスイッチで両方の質感を 試せるため、ビンテージ寄りの太さと、より現代的で使いやすい挙動を1本で比較検討できます。ボーカルからロック、 ヒップホップまで幅広いジャンルで使われている実績のあるモデルです。
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Softube Summit Audio TLA-100A(参考価格:159ドル)

1980年代のハードウェアをモデリングした真空管オプトコンプレッサーです。ローカットフィルターやサチュレーション ノブ、原音とかけた音を混ぜるパラレルインジェクションなど、プラグインならではの追加機能を備えており、 オリジナルよりも柔軟に音作りができます。
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Waves CLA-2A/CLA-3A(参考価格:シリーズバンドル「CLA Classic Compressors」定価299ドル、セールで90ドル程度になることが多い)

同じくクリス・ロード=アルジ監修で、LA-2A・LA-3Aをモデルにしたオプトコンプレッサーです。UAD版と同じ元機材を モデルにしていますが、Wavesならではの価格の下がりやすさ(前述のCLA-76の項目を参照)もあり、オプト系 コンプレッサーを初めて試す方の、価格を重視した選択肢として有力です。
PLUGIN BOUTIQUE(CLA-2A) →
PLUGIN BOUTIQUE(CLA-3A) →
Variable Mu・ダイオードブリッジ系|ビンテージならではの太さと質感
Variable Mu(真空管)やダイオードブリッジ方式は、ビンテージ機材特有の太さ・質感が出やすい系統です。 マスターバスやミックスバスに温かみを加えたいときに選ばれます。詳しくはVariable Muコンプレッサーのおすすめプラグインもご覧ください。
UAD Manley Variable Mu(参考価格:149ドル)

Manley社の現行ハードウェアをモデリングした、Variable Mu方式の代表的なコンプレッサーです。真空管による 太さと、なめらかで音楽的な圧縮のかかり方が特徴で、マスターバスに“まとまり”と“太さ”を足したい場面に向いています。
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UAD Fairchild Tube Limiter Collection(参考価格:149ドル)

1950年代の伝説的なリミッター、Fairchild 660/670をモデリングしたコレクションです。オリジナルはヴィンテージ 市場で非常に高額な機材ですが、プラグインなら手頃な価格でその音の傾向を体験できます。レシオを2:1から30:1まで 幅広く選べ、繊細なマスタリング用途から強めのリミッティングまで対応します。
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UAD Neve Dynamics Collection(Neve 2254/Neve 33609)(参考価格:199ドル)

Neve 80シリーズコンソールの圧縮モジュール「2254」と、その後継機「33609」の2つが収録されたコレクションです。 Neveらしい重厚感とキャラクターのある色付けが特徴で、トラックやバスに個性的な質感を加えたい場面に向いています。 33609側にはサイドチェインフィルターやドライ/ウェットミックスなど、プラグインならではの拡張機能もあります。
Klanghelm MJUC(参考価格:24ユーロ、無償版「MJUC jr」あり)

真空管によるVariable Mu方式を再現した、ドイツKlanghelm社のコンプレッサーです。1950年代・1960年代・現代的 設計という3つのモデルを切り替えられ、TIMBRE・DRIVEノブでトーンシェイピングもできます。価格が手頃なだけでなく、 無償版「MJUC jr」で音質・動作感を確認してから購入を検討できる点も、初めてVariable Mu系を試す方に向いています。
デジタル・万能型/マスタリング系|複数の質感を1台で使い分けたい方に
ここで紹介する5製品は、特定の回路方式を模倣するタイプではなく、複数の圧縮スタイルを切り替えられるデジタル設計や、 マスタリング用途を強く意識したハイブリッド設計の製品です。
Sonnox Oxford Dynamics(参考価格:239.99ポンド)

ソニーのデジタルコンソール「OXF-R3」のダイナミクスセクションをベースにした製品で、ゲート・エキスパンダー・ コンプレッサー・リミッター・サイドチェインEQ・ウォームス機能を1つに統合しています。Normal・Classic・Linearの 3つの圧縮モードを切り替えられ、低ノイズでほぼ透明な効きが持ち味です。複数のダイナミクス系エフェクトを 1つのプラグインでまかないたい方に向いています。
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FabFilter Pro-C 3(参考価格:199ドル)

デジタル設計コンプレッサーの定番、FabFilter Pro-Cシリーズの最新モデルです(前モデルのPro-C 2から刷新)。 Vari-MuやEl-Op(オプト)など14種類の圧縮スタイルを切り替えられるほか、アナログ的なサチュレーションを 加えられる「キャラクターモード」、最大9.1.6chまでのDolby Atmos対応、6バンドのサイドチェインEQなどを 新たに搭載しています。1本でさまざまな系統の“かかり方”を試したい方、将来的にイマーシブ音源制作も視野に 入れている方に向いています。
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Plugin Alliance elysia alpha compressor V2(参考価格:150ドル)

マスタリング用途を想定したelysia alpha compressorの刷新版です。高解像度ディスプレイに対応したUIの 全面リニューアルに加え、トランスフォーマーの挙動を再現する「TX-Drive」やステレオ幅コントロールなど、 プラグインならではの機能が追加されています。M/S(ミッド/サイド)処理やフィードフォワード・フィードバック 切り替えにも対応しており、マスターバスで繊細な調整をしたい中級者以上の方に向いています。
PLUGIN BOUTIQUE →
Shadow Hills Mastering Compressor(参考価格:150ドル)

オプト方式とディスクリート(VCA的な)方式、2段階の圧縮セクションを直列でかけられるユニークな設計の マスタリング用コンプレッサーです。出力トランスをSteel・Nickel・Ironの3種類から選べ、同じ設定でも質感を 変えられます。Radiohead、Foo Fighters、Coldplayなどの作品でハードウェア版が使われてきた実績があり、 2段階の圧縮を組み合わせて仕上げの質感を追い込みたい方に向いています。
PLUGIN BOUTIQUE →
TDR Kotelnikov(無料)

Tokyo Dawn Labsが無償で公開しているマスタリング用コンプレッサーです。無料ながらマスタリング用途を意識した 設計で、海外のマスタリングエンジニアからの評価も高く、「無料でどこまでできるか試したい」という方や、 有料プラグインを揃える前にまず基準となる音を知っておきたい方に向いています。機能を拡張した有料版 「Kotelnikov GE」も用意されており、必要になったタイミングでアップグレードも検討できます。
予算を抑えて複数系統を試したい方向け
最後に、特定の1系統に絞らず、複数の系統を比較的低価格でまとめて試したい方向けの選択肢を紹介します。
Arturia Comp Collection(Comp FET-76/Comp VCA-65 ほか)(参考価格:単体79ユーロ〜、音源・エフェクトバンドル 「FX Collection」にまとめて収録される形でも入手可能)

1176をモデルにした「FET-76」、dbx 165をモデルにした「VCA-65」をはじめ、系統ごとに個別のプラグインとして展開 されているシリーズです。単体でも比較的手頃な価格で、UADやPlugin Allianceの定番モデルと近い傾向の音を、 価格を抑えて試せるのが特徴です。すでにシンセなどでArturia製品を使っている方であれば、バンドルとの相性も 含めて検討する価値があります。
PLUGIN BOUTIQUE(Comp FET-76) →
PLUGIN BOUTIQUE(Comp VCA-65) →
まだ系統が決まっていない方へ|選び方のヒント
23製品もあると迷ってしまう方のために、目的別に選び方の目安をまとめます。
- とにかく最初の1本が欲しい → UAD 1176 Classic Limiter CollectionやUAD Teletronix LA-2Aのような、 価格が手頃で定番として名前が挙がりやすいモデルから試すと失敗しにくいです。
- バスコンプでミックスをまとめたい → UAD SSL 4000 G Bus CompressorやCytomic The Glueなど、VCA系の バスコンプが定番です。
- ボーカルになめらかにかけたい → UAD Teletronix LA-2AやSoftube Tube-Tech CL 1B Mk IIなど、オプト系が 向いています。
- ドラムにパンチを加えたい → UAD 1176 Classic Limiter CollectionやPlugin Alliance elysia mpressorなど、 FET系・VCA系の反応が速いモデルが向いています。
- マスターバスに太さ・質感を足したい → UAD Manley Variable MuやUAD Neve Dynamics Collectionなど、 Variable Mu・ダイオードブリッジ系が向いています。
- 1本で幅広い質感を使い分けたい → FabFilter Pro-C 3のように、複数の圧縮スタイルを切り替えられる デジタル設計のモデルが向いています。
- まずは価格を抑えて試したい、無料で試してみたい → Klanghelm MJUCの無償版「MJUC jr」やTDR Kotelnikov (完全無料)、頻繁にセールになるWaves CLAシリーズやArturia Comp Collectionが選択肢になります。
いずれの場合も、まずはDAW付属のコンプレッサーでパラメータの動かし方に慣れてから、「もっとキャラクターに こだわりたい」と感じたタイミングで検討するのがおすすめです。基本操作から確認したい方は 「コンプレッサーの使い方を基礎から解説」を、設定してみたものの音がおかしいと 感じた場合は「コンプレッサーの音がおかしい?ポンピング・かけすぎ・音痩せの原因と直し方」も あわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. DTM初心者でも、いきなり有料のコンプレッサープラグインを買うべきですか? A. 必須ではありません。CubaseやLogic Pro、Ableton LiveなどのDAWに付属しているコンプレッサーでも、 スレッショルド・レシオ・アタック・リリースといった基本操作は十分に練習できます。まずは付属コンプレッサーで 基礎を固め、「特定の質感が欲しい」と感じたタイミングで、この記事で紹介したような製品を検討するので十分です。
Q. UAD製品を買うには、Apolloなどの専用ハードウェアが必要ですか? A. 製品によります。現在は多くのUAD製品がNative(ハードウェア不要)で動作しますが、一部の製品は Apolloオーディオインターフェースまたは UADアクセラレーターでの利用が前提として案内されています。 購入前に各製品ページで対応環境を確認してください。詳しくは本文中の「Universal Audio製品を検討する前に」の セクションもあわせてご覧ください。
Q. 系統(VCA・FET・オプトなど)ごとに1本ずつ揃える必要がありますか? A. 必須ではありません。多くのエンジニアは、まず汎用性の高い1〜2本(例えばVCA系のバスコンプとFET系の 1台など)から使い始め、制作を続ける中で「この質感が足りない」と感じたタイミングで買い足していきます。 最初から全系統を揃える必要はありません。
Q. セール時期に買った方がお得ですか? A. 今回紹介したプラグインの多くは、Plugin Boutiqueなどの販売サイトで頻繁にセール対象になる傾向があります。 特にWaves製品は定価と実売価格の差が大きく、急ぎでなければセールのタイミングを待って購入するのも一つの 方法です。ただし本文中の価格はあくまでメーカー公式の通常価格(参考情報)のため、実際の購入時には最新の 価格を確認してください。
Q. 無料のコンプレッサープラグインではだめなのですか? A. DAW付属のコンプレッサーに加えて、この記事で紹介したTDR KotelnikovやKlanghelm MJUCの無償版「MJUC jr」の ように、無料でも十分に実用的なプラグインがあります。基本的な音作りはこうした無料の選択肢でも可能です。 今回紹介した有料プラグインは、特定のハードウェアの質感を再現していたり、追加機能が充実していたりする点に 価値があるので、無料の選択肢を試したうえで「もっとこういう質感が欲しい」と感じたタイミングで検討すると 良いでしょう。
まとめ
コンプレッサープラグインには、VCA・FET・オプト・Variable Mu・バスコンプ・マルチバンドという6つの系統があり、 それぞれ得意とする音の変化が異なります。今回紹介した23製品は、長く使われてきた定番モデルから、無料・低価格で 試せる選択肢まで幅広く揃えているので、「どれを選べば失敗しないか分からない」という方は、まず自分がやりたいこと (バスコンプでまとめたい、ボーカルになめらかにかけたい、予算を抑えたい、など)に近いものから選んでみてください。
Universal Audio製品を検討する場合は、以前のようにハードウェアが必須というわけではなく、Native・Apollo・ UAD Sparkサブスクリプションという3つの選び方があることも、あわせて覚えておくと選択肢が広がります。
系統ごとにさらに詳しく比較したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
- VCAコンプレッサーのおすすめプラグイン
- FETコンプレッサーのおすすめプラグイン
- オプティカルコンプレッサーのおすすめプラグイン
- Variable Muコンプレッサーのおすすめプラグイン
- バスコンプレッサーのおすすめプラグイン
- マルチバンドコンプレッサーのおすすめプラグイン
厳選されたエフェクトプラグインを紹介しています。詳細は、こちらの記事でチェックしてください。