Table of Contents
DTM(Desk Top Music)を始めたい人から、ある程度慣れてきた中級者の方まで、一気に基礎知識を身につけられるようまとめました。ぜひご活用ください。
1. DTM初心者向けガイド
1-1. DTMとは?
DTMの定義
パソコンで作曲・編曲・録音・ミキシングなど、音楽制作の一連の流れを行うことを指します。音楽制作のハードルを下げ、多くの人が自宅で本格的な曲を作れるようになりました。
DTMでできること
- オリジナル曲の制作
- リミックス、カバーアレンジ
- 効果音の制作やサウンドデザイン
- ボーカル加工、ボーカロイドの活用 など
1-2. DTM初心者が最初に揃える機材
パソコン
- 必要スペック
- Windows / MacどちらでもOK。
- Macは安定性が高いものの、価格が高め。
- Windowsはドライバとの相性問題が発生する可能性があるが、拡張性やコストパフォーマンスが高い。
- デスクトップ / ラップトップどちらでもOK。
- ラップトップは自宅やスタジオだけでなく、外出先やライブ会場など、さまざまな場所で作業可能。
- 大規模なプラグインや高負荷のエフェクトを多用するミキシング作業では、デスクトップの高スペックマシンが必要になる場合がある。
- CPUはマルチコア (Intel i5以上、Apple M1以上 など)、メモリは最低8GB以上が目安。
- ストレージはSSD推奨。
- 容量は大きいほうが良い。
- エフェクトプラグインや特にVSTインストゥルメント(音源)のインストールには、十分な容量が必要になる。
- Windows / MacどちらでもOK。
オーディオインターフェイス
- 目的
- パソコンと音声の入出力を高音質・低遅延で行うため。
- 選び方
- 入出力端子数、48kHz/24bit以上対応など、必要に応じてチェック。
- 機能性
- ダイレクトモニタリング機能やループバック対応など、用途に応じてチェック。
DTM初心者必見!おすすめのエントリーモデルオーディオインターフェース
ヘッドホン / モニタースピーカー
- 初心者はまずヘッドホンから
- 音質がフラットでDTMに適したモニターヘッドホンを選ぶと作業がしやすいです。
- ヘッドホンは、モニタリングシステムを始める人への最初のモニタリングシステムとしておすすめです。(モニターより安価)
- モニタースピーカーの場合は、部屋によって音の聞こえ方が異なるため、ルームアコースティックの調整が必要になる。
MIDIキーボード
- 打ち込み作業を効率化
- コードやメロディの入力がスムーズ。
- 初心者は25鍵 or 49鍵の小型モデルがおすすめ。
- 演奏が得意なら88鍵もおすすめ。
マイク
- ボーカルや楽器を録音したい場合
- 歌やギターをパソコンに取り込みたいなら、コンデンサーマイクやダイナミックマイクが必要になります。
- 外部の音を録音する必要がなければマイクは後回しでもOKです。
1-3. 初心者におすすめのDAWとプラグイン
DAWの選択肢
各DAWの下位エディション: 機能に制限があるものの価格が安いため、初心者におすすめです。また、上位エディションへのアップグレード時には割引価格が適用されることが多く、初期投資を抑えながら後々の拡張も容易です。
- Cubase Elements
- 価格を抑えつつ、本格的な音源・エフェクトが付属。
- Cubae LE/AI
- 一部のハードウェア製品に付属する無料版で、基本的な機能を利用可能。
- Studio One Prime (無料版あり)
- 無料版でも基本的な録音・打ち込みが可能で、初心者が最初に触るのに適しています。
- Ableton Live Intro
- ダンスミュージック制作に最適なエントリーエディションで、シンプルな操作性で初心者でもトラックメイキングをスムーズにスタートできます。
初心者向けプラグイン
- DAW付属プラグイン
- 各DAWには、初心者からプロまで対応可能なプラグインが多数付属。エフェクト、音源、ツールが標準装備されており、追加の購入をせずに幅広い音楽制作を楽しめます。
- フリーエフェクト
- EQ、コンプレッサー、リバーブなど、無料でも良質なものが多数存在。
- Waves
- Wavesは、手頃な価格で業界標準のエフェクトプラグインを提供するリーディングブランドです。プロ仕様のサウンド補正やミックス、マスタリングツールを揃え、幅広い音楽ジャンルで信頼されています。
- MeldaProduction
- MeldaProductionは、無料プラグインの充実度が他のメーカーと比べてもトップクラスであり、初心者がコストを抑えて音楽制作を始めるには最適な選択肢です。また、多くの製品が「生涯無料アップデート」ポリシーを採用しているため、長期的な利用でも安心して使用できます。
- Valhalla DSP
- Valhalla DSPは、シンプルで操作性に優れたUIと、高品質なリバーブやディレイ系プラグインを手頃な価格で提供しています。
1-4. 初心者向け簡単ワークフロー
- プロジェクトを作成
- ジャンルを決める: ダンス、ポップ、ヒップホップなど好きなスタイルを選ぶ。
- テンポ設定: ジャンルに合わせてBPMを設定(例: ダンスミュージックなら120~130 BPM)。
- キーを決める: 曲の調(キー)を設定することで、制作中の音楽に統一感が生まれ、まとまりやすくなる。
- ビートを作成
- ドラムトラックを作る: DAWに付属するドラム音源やサンプルを使い、シンプルなリズムパターンを作成。
- ループ活用: DAW付属のループ素材を使うと簡単。
- メロディとコードを追加
- コード進行を決める:
- シンプルな進行(例: C-G-Am-F)や鳴らしてみて気に入ったものを選ぶ。DAWのコードアシスト機能が役立つ場合も。
- メロディを作成: MIDIキーボードやマウスを使ってメロディラインを入力するか、録音しながら歌い、気に入ったフレーズを入力しましょう。
- コード進行を決める:
- ベースラインを追加
- 曲のリズムやコードに合わせ、ベース音を入力。シンセベースがおすすめ。
- メロディとコードの音源を選定
- コード用音源:
- ピアノ: 自然なサウンドで多くのジャンルに合う。
- パッド系シンセ: 優しい雰囲気や空間感を演出。
- ギター:
- アコースティックギター音源: 暖かくナチュラルなコード進行を演出。
- エレキギター音源: ロックやポップスのコード進行に適し、アンプシミュレーターを組み合わせてカスタマイズ可能。
- メロディ用音源:
- リードシンセ: 主旋律に存在感を出す。
- アコースティック楽器音源: フルート、バイオリン、ギター、ピアノなど。
- ボーカルやボーカロイド: 実際のボーカルトラックを録音するか、初音ミク、Megpoidなどのボーカルシンセを活用し、自由に歌詞やメロディをプログラムする。
- コード用音源:
- 曲の構成を作る:
- イントロ → Aメロ → Bメロ → サビ → 間奏 → Dメロ → サビ のように構成を考える。
- 2コーラス目ではクリップを複製し、パターンを変えたり、新たな楽器を追加することで変化を加えます。
- ミキシング
- 各トラックの音量を調整: 各楽器が聞こえやすくなるようにバランスを取る。
- パンニング: 音を左右に振り分けて立体感を出す。
- 書き出し
- 完成品をMP3やWAV形式で書き出し。
- 友人やSNSで共有し、フィードバックをもらう。
補足ポイント
- 最初はシンプルな曲で完成を目指し、慣れてきたら徐々に要素を追加する。
- DAWのチュートリアルやYouTube動画を参考に、操作方法を学ぶとスムーズです。
- 完成後は公開プラットフォーム(SoundCloudやYouTube)にアップしてモチベーションを高めましょう!
これで初心者でも簡単に楽曲制作を始められます!
2. DTM中級者向けガイド
2-1. 機材と環境のアップグレード
ハードウェア強化
- オーディオインターフェイスのグレードアップ
- 入出力端子数が多く、より優れたコンバーター性能を備えた上位機種へ移行します。
- 入出力が増えることで、接続の切り替えが減少し、作業効率がアップ。
- 高性能なコンバーターにより、アナログ信号をデジタル信号に変換する際の精度が向上。(音質向上)
- ノイズや歪みの低減で、よりクリアで高解像度な音質が得られる。
- 入出力端子数が多く、より優れたコンバーター性能を備えた上位機種へ移行します。
【中級以上・ミドルクラス】オススメのオーディオインターフェース
- モニタースピーカーの導入
- ルームアコースティックを考慮し、ニアフィールドモニターやルームチューニングにも挑戦。
- ヘッドホンに比べて低音域で優れており、部屋全体を使って低音を自然に感じられる。
- ヘッドホンは長時間装着すると耳や頭に負担がかかる場合がありますが、スピーカーではその心配がありません。
- 注意点:
- ただし、モニタースピーカーの効果を最大限に活かすには、部屋の音響環境(吸音や反射のコントロール)を整えることが重要です。また、サブベースと呼ばれる超低域音を正確に再現するには、サブウーファーの導入や、非常に高性能で高価格なモニタースピーカーが必要となります。
作業効率の向上
- MIDIコントローラー
- ノブ、フェーダー、パッドを活用してソフトシンセやエフェクトをリアルタイムに操作。
- エフェクトコントロールをノブやフェーダーに割り当て、リアルタイムでオートメーションを記録し、複雑なサウンドデザインを実現する。
- パソコン環境の最適化
- CPU使用量の抑制
- バッファサイズを調整: 録音時:64~128サンプル(低レイテンシー)、ミックス/マスタリング時:512~1024サンプル(高負荷作業用)の使い分け。(作曲作業とミックス作業でプロジェクトを別ける)
- フリーズ/バウンス機能を活用: 負荷の高いトラック(特に仮想音源)をオーディオ化してCPU使用量を減少。
- 未使用トラックやプラグインを無効化: 使用していないエフェクトやトラックを停止。
- オーディオドライバの設定
- サンプルレートの適切な設定: 通常44.1kHz~48kHz。必要に応じて96kHz以上も可(ただしCPU負荷やデータ容量も増大)。
- プロジェクトでサンプルレートを統一することで、無駄な変換処理を防ぐ。
- ストレージの最適化(SSDの活用)
- SSDの増設: OS用SSDとプロジェクト/音源用SSDを分けると効率的。
- プロジェクトバックアップ用に大容量の外付けHDDの導入。
- クラウドストレージ(Google Drive、Dropboxなど)と併用することで、さらに安全性を高められる。
- CPU使用量の抑制
2-2. 中級者向けDAWの活用術
詳細なカスタマイズ
- ショートカットやマクロ登録
- 作業の自動化や効率化が可能。
- テンプレートの利用
- ジャンルや作業ごとにプロジェクトテンプレートを登録しておく。
- よく使う音源やエフェクトチェーンをあらかじめ登録しておく。
多数のプラグイン管理
- プラグインフォルダの整理
- VST3とVST2の両方がある場合は、VST2版を削除するなどして整理する。
- DAWによっては、よく使うプラグインをジャンルごとに分類して整理するのも効果的。
- 動作の軽さを意識
- プラグインを使いすぎるとCPU負荷が高まるため、必要最小限に絞るかフリーズ機能を利用。
2-3. おすすめの有料プラグインとセール情報
定番の有料プラグイン
- サードパーティ製の定番や評判の高いプラグインを追加しましょう。
- 自分の好みに合ったプラグインを見つけて、自分だけの音を確立しましょう。
セール情報の収集
- ブラックフライデー / 年末年始
- 特に大きな割引があるので要チェック。
- 季節のセール / 春、夏、秋、冬
- 定期的に開催されており、ブラックフライデー並みの割引が適用されることもあります。
- フラッシュセール
- 短期間限定で実施される特別な割引セール
2-4. より高度なミキシング
ミキシングのポイント
- ダイナミクス制御
- コンプレッサーを使用してトラックごとのダイナミックレンジを整え、ミックス全体の一体感を高めます。
- コンプレッサーでうまくいかない場合、リミッター、ゲート/エキスパンダー、トランジェントシェイパーの使用も検討してください。
- コンプレッサーをエフェクトとして使用し、音にパンチを加えます。
- ミックスバスコンプを使用して、トラック全体にグルー感を与えます。
- オートメーションを使用して、曲全体のダイナミクスや演出を効果的に制御します。
- 周波数帯の整理
- 空間を意識
3. よくある質問 (FAQ)
- 初心者と中級者の境目って?
- DAWの基本操作に慣れ、ある程度自由に曲を作れるようになったら中級者への入口です。
- 最初に買うプラグインは?
- DAW標準のプラグインを活用しつつ、セール時に定番の有料プラグイン(コンプ/EQ/リバーブ)を導入すると、コストパフォーマンス良いです。
- モチベーションが続かない…
- たとえ満足のいく出来でなくても、最後まで完成させることを意識しましょう。SNSや動画サイトで作品を発表してフィードバックをもらうなど、達成感を味わいながら続けましょう。
- 高価な機材を買うタイミングは?
- 現状の機材に明確な不満を感じたとき、またはプロフェッショナルなレベルを目指すときがおすすめです。
- 現状の機材に明確な不満を感じたとき、またはプロフェッショナルなレベルを目指すときがおすすめです。
4. まとめ・次のステップ
まずはシンプルな環境を整え、曲作りに慣れることから始めましょう。DAW標準のプラグインでも十分に活用できます。ただし、DAWの下位エディションにはトラック数などの制限があるため、不満を感じ始めたらアップグレードを検討しましょう。次に進むための重要なステップです。常に知識や環境をアップデートし、より高度な音作りに挑戦してください。また、セールやバンドルを活用することで、コストを抑えながら効率的に機材やソフトウェアを揃えることができます。